予防歯科
当院では、虫歯や歯周病などを未然に防ぐための取り組みとして「予防歯科」も行っております。
定期的な検診やお悩みに応じた専門のケアを通じて健康な歯を維持し、歯を削ったり抜いたりするリスクを最小限に抑えます。
口腔内の健康状態が悪化すると、心臓疾患や呼吸器疾患、糖尿病といった全身疾患のリスクが高まることが知られています。口腔内の健康を守ることは、全身の健康を守ることにもつながるのです。
また、予防歯科にかかることで将来的な医療費の削減も可能です。虫歯や歯周病の治療は費用がかさむことが多いため、予防に努めた方が経済的な負担が少なくなる場合があります。
2025年には、全国民に毎年の歯科検診を義務付ける「国民皆歯科健診」の導入が検討されています。この制度の目的は、前述の通り虫歯や歯周病などの口腔疾患を早期に発見し、健康寿命を延ばすことです。
相乗効果として、医療費の削減や医療負担の軽減を図ることも期待されています。
このように予防歯科は、国を挙げて取り組むほど様々なメリットがある取り組みです。これまで一度も治療を受けたことがない方も、ぜひ当院の予防歯科を受診してみてください。
歯石を定期的に取った方が良い理由
歯石は、歯垢が硬化して石灰化したもので、通常の歯みがきで除去するのは難しいものとされています。
歯石が蓄積すると細菌が繁殖しやすくなり、歯茎の炎症や出血を引き起こします。放置をすると歯周病に発展してしまい、歯を支える骨が破壊されたり、最終的には歯の喪失に至ることもあります。
その他にも、蓄積した歯石を放置すると虫歯や口臭の悪化、全身疾患を招くリスクなども高まります。
一般的には3~6ヶ月に一度の歯石除去を推奨しておりますが、一人ひとりの口腔内環境によって歯石のできやすさは異なります。
個々に応じて歯石除去の最適な頻度をご提案いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。
虫歯予防
虫歯は、口の中に存在する「ミュータンス菌」などの細菌が糖分をエサにして酸を生成し、その酸が歯のエナメル質を溶かすことで発生する病気です。この過程を「脱灰」と呼び、初期段階では歯の表面が白濁することが特徴です。
進行すると歯に穴が開き、さらに進行すると象牙質や歯髄(神経)まで達し、激しい痛みを伴うことがあります。放置し続けると最終的には抜歯が必要になる場合もあるため、早期発見と治療が重要です。
虫歯予防の基本は、歯みがきで歯垢を徹底的に取り除くことです。ブラッシングだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使用して、歯と歯の間を清掃することも重要です。
唾液の分泌も虫歯予防に効果的です。唾液には歯の再石灰化を促す力があり、虫歯菌による酸の中和を助けます。唾液の量を増やすには、食事でよく噛むことを意識したり、キシリトールガムを噛んだりすると良いでしょう。
また、虫歯予防には食生活の見直しも欠かせません。糖分の多い食事や柑橘類や炭酸飲料といった酸性の飲食物は、歯を溶かすリスクを高めるため注意が必要です。
しかし、どれだけセルフケアを行っても、細かい歯垢や歯石は取りきれないことが多いため、歯科医院での定期検診は虫歯予防に欠かせません。当院では虫歯予防として、歯垢や歯石の除去に加えて、フッ素塗布やシーラントなどの処置を行っております。これらの措置は、特に虫歯になりやすいお子様の歯にも効果的です。
虫歯は痛みを感じずに進行することが多く、気づかないうちに悪化しているケースがよく見られます。虫歯のリスクを最小限に抑えるためにも、ぜひ定期的に検査を受けることをおすすめします。
口臭予防
口臭の主な原因は舌苔(ぜったい)や口の乾燥(ドライマウス)、歯周病です。
舌苔は舌の表面に付着する白い苔のようなもので、細菌の温床となり口臭の原因になります。
歯磨きが不十分だと食べカスが舌に残りやすく、舌苔が増えることがあります。
対策としては日々のブラッシングに加えて、舌ブラシを使用して舌苔を適度に取り除くことも効果的です。
また、口が乾燥すると唾液の分泌が減少してしまうため、細菌が増殖しやすくなり、口臭も発生しやすくなります。
対策としては、こまめな水分補給や鼻呼吸を心がけることなどが挙げられます。
歯周病は歯茎の炎症が主な症状だと思われがちですが、特有の悪臭を放つ「メチルメルカプタン」という物質の生成も促進され、口臭悪化の原因となることが分かっています。
このように口臭は、様々な原因が重なって生じる可能性があります。カプセルやタブレット型の口臭ケア用品もありますが、効果は一時的に過ぎず、口臭を根本から改善するには原因を突き止めて対策や治療をする必要があります。
口臭が気になっている方は、ぜひ当院に一度ご相談ください。口臭の原因をしっかりと突き止めた上で、適切な治療やケア方法をご提供いたします。
クリーニング(保険で対応できる)
歯医者でのクリーニングは、歯石除去や歯周病予防を目的とする場合は保険適用ができるため、自己負担額を抑えることが可能です。
当院では「スケーリング」や「ルートプレーニング」と呼ばれる、歯の表面や歯周ポケット内の歯石を除去する施術などを行います。
審美目的でのクリーニングは、保険適用外となることが多いです。例えば歯のホワイトニングは見た目の改善が目的であるため、自費診療となるケースがほとんどです。
また、後述するPMTCのような高度なクリーニングを希望する場合、保険適用ができないので注意が必要です。
当院では、患者様の口腔内の状況やご希望に応じてクリーニングを実施いたしますので、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
PMTC
PMTCとは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の頭文字を取ったもので、歯科医師や歯科衛生士が専門的な機器を用いて行う歯のクリーニングのことです。
研磨剤やフッ素などを用いるため、通常の歯磨きでは取りきれない歯垢や歯石、バイオフィルムなどの汚れを徹底的に除去することができます。
歯の表面も滑らかになり、着色汚れも落とすことができるので、見た目の美しさも向上します。
保険適用外であるため、通常のクリーニングよりもコストがかかるものの、虫歯や歯周病のリスクも大幅に減少させることができます。
特に普段のケアが難しい矯正中の方や被せ物をしている方などにおすすめです。
歯みがき指導
当院では、患者様の口腔ケアをサポートするために、専門的な歯みがき指導を行っています。
多くの方が日常的に歯を磨いているものの、自己流の磨き方では歯垢が残りやすく、結果的に虫歯や歯周病のリスクを高めている可能性があります。
そのため当院では、患者様一人ひとりの口腔内の状態に合わせた適切なブラッシング方法をお教えし、効果的なセルフケアを実現していただけるよう努めています。
まず最初に、染め出し液を使用して磨き残しの箇所を確認します。その後、患者様の歯並びや口腔内の状況に応じて、歯科衛生士が具体的なブラッシング方法を指導いたします。
例えば、歯ブラシの当て方や動かし方などを、模型などを使いながら一緒に実践していきます。
さらに、歯間ブラシやデンタルフロスなどの使い方も指導させていただきます。これらの器具は、歯と歯の間など、通常の歯ブラシでは届きにくい部位の清掃に欠かせません。
当院で推奨している歯ブラシや歯間ブラシなどもご紹介するので、日常的に適切なケアを行いたい方は、ぜひ一度ご相談ください。